導入事例 RPAツール(UiPath) ポリプラスチックス株式会社様

初年度に年間3,700時間分の作業時間を削減。ロボット開発環境の整備に取り組み、大量かつ複雑な業務の自動化を推進。

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エンジニアリングプラスチック(以下、エンプラ)のリーディングカンパニーとして知られるポリプラスチックス株式会社(以下、ポリプラスチックス)では、RPAプラットフォーム「UiPath」を導入。間接業務のみならず工場や研究開発、ロジスティックスなどにも段階的に適用することで、グループ全体の生産性向上へと取り組んでいる。サン・プラニング・システムズは、ロボット開発のテクニカルサポートをはじめ、開発を効率化するためのテンプレートやパーツの開発を担当。RPAの利用状況や導入効果について詳しく伺った。

 


ポリプラスチックス株式会社のロゴ

ポリプラスチックス株式会社

  • 本社所在地: 東京都港区港南二丁目18番1号 JR品川イーストビル
  • 設立: 1964年5月(創業1962年6月)
  • 資本金: 30億円
  • 社員数: 2,100名(2019年3月)
  • 事業概要:各種ポリマー及びプラスチック等の製造販売

1.ポリプラスチックスの概要

ポリプラスチックス株式会社様の所在地

ポリプラスチックス株式会社様の所在地

– ポリプラスチックスについてご紹介ください。

当社は1962年に創業した日本初のエンプラ専業メーカーです。エンプラの研究・製造・販売を自社で手がけ、国内はもとよりアジア・太平洋地域におけるエンプラのリーディングカンパニーとして、アメリカやヨーロッパにいたるまで、グローバルなサービスネットワークを構築しています。

エンプラという名称に馴染みのない方もいるかもしれませんが、機械的強度、耐熱性、耐薬品性などに優れた高機能樹脂のことです。自動車、家電製品、電子デバイスから航空機、最新型ロボット、食品や医療品のパッケージまで、現代生活のあらゆるシーンで使われています。

当社では、高品質で安定した製品を製造・供給することで、多種多様な技術領域のニーズに応え、満足度の高いソリューションを提供しています。

2.年間3,700時間の作業時間を削減、ロジスティクスや研究開発における活用も検討

ポリプラスチックス株式会社 経営戦略本部 経営企画室 主席部員 林 雄一郎 様

「ロジスティクスや研究開発、海外拠点などでのRPAの活用も検討しています」
(ポリプラスチックス株式会社 経営戦略本部 経営企画室 主席部員 林 雄一郎 様)

– ポリプラスチックスにおけるRPAの利用状況について教えてください。

UiPathで作成した53本のロボットを実業務へ実装し、初年度で年間約3,700時間の作業時間削減効果を見込んでいます。

実装している業務は、現時点で経理や人事部門といった間接業務を担う部門が中心となりますが、一部、工場での利用も開始しています。また、次年度以降になりますが、ロジスティクス部門におけるEDIとの連携や研究開発部門におけるAIとの連携、さらには海外拠点などでの利用も検討しています。

自動化している作業としては、基幹システムとのデータのやり取りや、レポーティング作業のためのデータ収集・集計・分析といった定型業務が多く、これまでMicrosoft Excel(以下、Excel)のマクロなどを利用して作業していた業務の代替や自動化といった処理もあります。

 

RPA適用業務一覧(検討中含む)

RPA適用業務一覧(検討中含む)

 

– RPAを適用する業務は、どのように選定しているのでしょうか。

自動化したい業務を各部門から募り、RPAを推進するプロジェクトチームが各起案部署にヒアリングをしながら、RPAでの自動化の可否や適正、効果の度合い、優先順位などを見極めていきます。

RPAの適用が決まった後は、業務のAs-Isモデルを可視化してもらい、それをもとに最適化したTo-Beモデルを作成した上で、ロボットの開発に取りかかるという手順となります。

– ロボットの開発・運用体制を教えてください。

ロボットの開発やUiPathの運用管理は、RPA推進プロジェクトチーム内で一元的に担当しています。チーム内では、ロボットの開発およびメンテナンスに関してルールを設けて、属人化しないようにしています。

– 「野良ロボット対策」などは実施していますでしょうか。

プロジェクトチームの管理外でロボットを稼働させたり、シナリオを書き換えたりすることはできないようにしていますので、特別に「野良ロボット対策」などは実施していませんが、今後、ロボットの動きやパフォーマンスを管理する仕組みは取り入れたいと考えています。

3.サン・プラニング・システムズへテクニカルサポートと開発環境の整備を依頼

– サン・プラニング・システムに依頼している業務について教えてください。

RPAは適用できる業務の幅も広く、正しく導入を進めればその成果も早期に享受できます。そのため、ロボットを量産する環境を整備する必要がありますが、専門的な知識や経験が必要となりますので、そのサポートをサン・プラニング・システムズに依頼しています。

具体的には、UiPathに関するテクニカルサポート全体と、ひな形やパーツの作成がメインとなり、定期的に担当のエンジニアが当社内へ在席するようにしてもらっています。

当社側ではロボットの開発や企画、現場とのコミュニケーションに集中でき、相談できる専門家が側にいてくれるという安心感は、何事にも代えがたいものがあります。

– なぜ、サン・プラニング・システムに依頼したのでしょうか。

UiPathの認定リセラー数社に話を聞いて、サン・プラニング・システムズに依頼をすることに決めました。

いくつかポイントがあるのですが、まず、対応が迅速で、形式的なものではなく当社からの要望に対して、柔軟に対応してくれる姿勢を見せてもらえたこと。 次に、UiPathやRPAの導入・運用に関して技術的に明るく、疑問点などがあってもすぐに回答してもらえたこと。そして、大手メーカーなどのシステムをサポートしている実績が豊富で、当社業務への理解も早かったことから、安心してサポートを任せられると判断しました。

4.複数製品でロボットを作成して比較検討した結果、UiPathの採用を決定

ポリプラスチックス株式会社 事業創出本部 ICT企画統括部 呉地 一幸 様

「UiPathは動作が安定しており、複雑な処理の開発にも向いています」
(ポリプラスチックス株式会社 事業創出本部 ICT企画統括部 呉地 一幸 様)

– RPAを導入した経緯を教えてください。

事業は順調に推移しているのですが、一方、原材料費や人手不足の影響による人件費の上昇など、経営環境は予断を許さない状況が続いています。そのため、当社では継続的に全社的な生産性の向上に取り組んでいます。

RPAに関しては、近年、急速に普及が進んでおり、さまざまな企業で成果を上げていること。そして、従来の手法やシステムでは効率化や自動化が難しかった業務においても、生産性の向上やコスト削減効果が期待できることから、複数のRPA製品を用いてPoC(Proof of Concept)を実施しました。

その結果、従来手作業で行っていた単純作業やSAP R/3やIBM NOTESで構築されたシステムとのデータのやり取り、さらにはExcelで対応していた作業を代替し、自動化・効率化することで業務の担当者一人一人の生産性向上が見込めることが確認できたので本格的な導入を進めることにしました。

– UiPathを採用した理由を教えてください。

UiPathの採用を決めた主なポイントは次の通りです。

【機能面でのポイント】

  • ロボットの動作が安定している
  • 高度かつ複雑な処理の開発に向いている
  • 画像処理にも優れている
  • Excelとの連携や相性が良い
  • SAP R/3やIBM NOTESなど、基幹システムとデータ連携に優れている

【管理・運用面におけるポイント】

  • ロボットを一元管理しやすい
  • パーツやひな形の管理・利用がしやすい

【そのほかのポイント】

  • 国内外における導入実績が豊富
  • グローバルな製品なので、海外拠点への展開も容易

5.サン・プラニング・システムズへの評価と期待

– RPAの導入に関して、苦労したことなどはありましたか。

サン・プラニング・システムズのサポートなどもありシステムの導入自体には問題はありませんでしたが、現時点でRPAの活用に積極的な部署もあれば、そうではない部署があります。

基本は現場からの要請があってロボットの開発に取りかかりますので、RPAを社内に普及させてより大きな効果を享受するためには、さらに各部署とのコミュニケーションを図り、RPAへの理解を広げていく必要があると考えています。

また、導入初年度からほぼ目標としていた成果が見られ、サンプルとなるような事例もたくさんできましたが、まだ業務単体の単純な作業時間削減しか見ていないので、今後、業務自体の質の向上や関連する業務への波及効果、働き方や業務環境への影響なども含めた評価指標の確立にも取り組んでいきたいと考えています。

– サン・プラニング・システムズへの評価や期待があればお聞かせください。

開発環境の整備も順調に進んでおり、サン・プラニング・システムズの対応にはとても満足しています。
さらに今後は、ロボットの数を増やすだけでなく、内容や成果の充実にもこだわっていきたいと考えており、より多くの、より複雑な業務を自動化していくためには、サン・プラニング・システムズのサポートが必須となります。
これからも、より迅速でレベルの高いサポートを要望すると同時に、他社での動向や最新情報の提供などにも期待しています。

 

お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

 

ポリプラスチックス様の集合写真

(右)ポリプラスチックス株式会社 事業創出本部 ICT企画統括部 呉地 一幸 様
(中央)ポリプラスチックス株式会社 経営戦略本部 経営企画室 主席部員 林 雄一郎 様
(左)株式会社サン・プラニング・システムズ RPAユニット 宮本 大輝


  • 取材日時 2020年2月
  • ポリプラスチックス株式会社 ホームページ
  • 記載の担当部署は、取材時の組織名です